活動便り

留学生支援

奨学生卓話 「豊中RCの奨学生として ―私が感じた日本―」

2022年3月22日の卓話

豊中RC 奨学生 Li Jiyao

 私の日本での学生生活はまもなく終わりを迎えようとしています。振り返ってみると、日本にいた6年間は本当に様々な思い出があり、懐かしく感じております。この機会に、自分が日本について感じたことを述べたいと思います。
 日本に来た私の第一印象は、とても美しい国だと感じました。学会出張などで行ったオランダや、自分が生まれた北中国は、冬は本当に寒く、とても生活しづらいです。
 日本のマイルドな天候,四季折々変化する綺麗な自然環境と、整備された街並みや清潔な道沿いなどはとても印象的でした。生活していくうちにわかってきたのは、元々、海に囲まれた美しい国ではありますが、やはりこの綺麗な自然環境を保ち続けられるのは、ゴミを道沿いに捨てないことや徹底的なゴミの分別回収などの秩序を守る国民の努力があってこそだと感じました。自然環境の美しさは、暮らしている日本人達の心の美しさを映し出したものではないかと、私は思います。
 日本の美しさは、自然環境だけではなく、文化的な面でも強く感じます。神社やお寺などを訪れると、静かで落ち着いた雰囲気を感じ、とても穏やかな気持ちになります。建物が何かを話すことはありませんが、その佇まいから、訪れた人々に歴史を語りかけているようにも感じました。
 入国当初は、身の周りで体験できることは少なかったのですが、生活していくうちに、日本人の方と接触する機会も増え、価値観や習慣についても詳しくわかるようになりました。最も印象に残っている日本人の素質は、日本人の真面目な性格です。些細なことでも丁寧にやり遂げることを重視しており、周りの日常生活の中でもそれを実感しました。日本人の真面目さは、産業などの国際的な発展にも繋がっているとも感じています。日本産の電気製品や車などは、世界的に有名であり、世界トップランクのメーカーに日本産が名を連ねています。また、日本のサービス業の評判の良さも全世界に知られています。日本のサービスのクオリティの高さは、働いている一人一人が丁寧に仕事していることに由来するものだと思っています。
 さらに、性格面での誠実さや謙虚さなども日本人の美徳として挙げられるものだと思います。オランダでの訪問留学に行った際、日本に来られたオランダ人の先生が何度も私に「日本は本当に素晴らしい国」と言っていました。電車に乗っても、決して隣の席は取らないし、列に並んでも、決して横入りしない。そういった秩序を守る精神は、本当に美しいと思っています。
 しかし、日本が最初から素晴らしい国であったというわけではないと私は思います。国民一人一人が持っている美徳を積み重ねた上で、国際的に魅力的な国になることができたと思います。日常生活の中で日本人から感じた美徳は、これから自分も身に付けられるように頑張っていきたいです。