活動便り

出前授業

小・中学校への出前課外授業

澤木 政光 (澤木内科)

 私は豊中ロータリークラブの全員です。同クラブは従来から青少年の育成に深い関心を持っており、平成13年から奉仕活動の一環として,教育委員会の協力を得て、豊中市内の小・中学校を対象に多職種のクラブ会員がそれぞれ学校に出向き、専門性を生かした「出前諌外授業」を行っています。

 授業内容は、例えば基礎工学の大学教授は「くらしの中のプラスチック」のテーマで、実験を混じえてゴムの性質の面白さをわからせ、華道の先生は水道のある教室でいけばなの楽しさを体験させ、産婦人科医は中学3年生を対に避妊を中心とした思春期のケアを教えます。小学校高学年から中学校にかけては自己形成の最も重要な時期で、専門家との直接の出会いは子どもたちに新鮮な感激と驚きを与え、夢と希望を膨らませる機会を作ります。

 私もこのプロジェクトに内科医として「人は何故眠らなければならないか」と「人の体の仕組み」の二つのテーマで参加しています。授業後に学校から届けられた子どもたちの感想文には「初めはむずかしいと思ったが、わかりやすく話してくれるので、だんだん面白くなり、話に引き込まれた」等の記述が沢山あり、睡眠の大切さ、生命の神秘と尊さをあらためて認識し、今後のライフ・サイクルを改善しようとする意欲も散見されます。

 現代人を取り巻く社会環境は大きく変わり、睡眠不足がもたらす疲労、全身倦怠感、食欲減退などの身体への影響や集中力不足によるさまざまな事故や犯罪などは大きな社会問題となっており、これらは少子高齢化のいま、全年齢層に及んでいます。出前課外授業プロジェクトは好評で、医療者にとって地域の子どもたちのプライマリ・ヘルスケアの向上に寄与する機会の一つと考え、取り組んでいます。

      

プライマリ・ケア  Vol.30  No.1  2007.3   P.23